9千円補助金について|保育士

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9千円補助金について

来月から始まる9千円補助金。正式には「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」と言いますが、「9千円」だけが独り歩きしてる感じです。

果たして全ての職員が9千円もらえるのでしょうか?

答えはNOです。

2月から9月までは補助金の一種で、細かい計算がされて事業者に交付される金額が決まりますが、計算の基準が職員数でも定員数でもなく、利用している子どもの人数であるため、施設によって大きく差が出ることが分かっています。

認可園は例え子どもの人数が定員割れしていても、職員数は定員分確保しておかなければならないため、満員でない施設はその分補助金の額が減るが、職員の人数が減る訳ではないので、当然一人あたりの金額は減ってしまうのです。

また、仮に子どもが満員だとしても、あくまでも国の配置基準が元となっているため、職員の負担を考えて国の配置基準以上の職員を雇用している素敵な施設の場合、残念ながら一人あたりの金額は減ります。(ちなみに国の配置基準だけで運営している施設は私の知る限りありません。)

ここまで見たらお分かりのとおり、全員に9千円がいきわたる施設なんてほぼあり得ないのです。

「月額9千円アップ」と言ってる政府もどうかと思いますが、報道機関ももう少し現実を分かりやすく説明すべきだと思います。このままだと数か月後、事業者が中抜きしているのではないかと騒ぎになることでしょう。

なお、この制度は具体的な運用は自治体に委ねられており、また分配は事業者に委ねられている部分があるため、統一ルールとしてお知らせすることは難しいのは事実です。当法人としても、統一的な部分をまとめていき、いずれ分かり易く説明していきたいと思っております。

行政書士 寺島朋弥

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2022年1月23日10:21 PM0件のコメント

保育教諭とは

前回の記事(幼稚園の先生)からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回は認定こども園の先生である保育教諭について。

保育園の機能と幼稚園の機能を融合させた幼保連携型認定こども園(認定こども園の種別は複数ありますが、別の機会に説明します。)の先生は、保育教諭でなければなりません。

保育教諭って?新しい資格??とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単に説明すると…

保育士+幼稚園教諭=保育教諭

です。別に新しい資格という訳ではなく、単純に二つの資格を持っている者ということです。

幼保連携型認定こども園の先生は、保育教諭でなければなりませんが、制度化された2014年から5年に限っては(2020年3月末まで)、片方の資格でも保育教諭とみなす特例がありました。

この間に、片方の資格を持っている者が、もう一つの資格を取る場合に、科目免除等の特例措置をおき、両方の資格を持つことを進めてきたわけですが、5年間では思いのほか進まず、昨年度でみなし特例を終わらせた場合、職員が足りなくなる園が急増する恐れがありました。

そこで、経過措置を更に5年間延長することになり、現在も片方の資格でも保育教諭とみなされる特例は続いています。あわせて、もう片方の資格を取得しやすくする特例も継続されていますので、一人でも多くの正規の保育教諭が誕生することを願っています。

就学前の幼児において、保護者の就労状況等によって、受ける教育に差が生じることは、本来は健全ではないと考えます。国もそのことは十分把握しており、現に保育所保育指針幼稚園教育要領(更に言えば認定こども園教育・保育要領も)の、3歳児以降の部分はほとんど共通しています。

しかし、保育園と幼稚園は、そもそも全く別々の制度なのだから、いくら指針・要領を共通化しても、実態として差が生じることは仕方ないと言えると思います。

そこで、全ての幼児が等しく教育を受ける権利を実現するために制度化されたものが認定こども園と言えるでしょう。

現在はまだ過渡期であり、事実3つの省庁(厚生労働省・文部科学省・内閣府)がそれぞれを所轄するという、世界においても珍しい体制になっていますが(苦笑)、当法人としても、今後認定こども園の支援には、まずます力を入れていきたいと考えています。

特定行政書士 寺島朋弥

 

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2020年11月21日2:02 PM0件のコメント

幼稚園の先生

前回は保育園の先生について書きましたが、今回は幼稚園の先生について。

幼稚園は「学校」ですので、資格は幼稚園教諭という免許です。

保育士資格との大きな違いは、保育士は名称独占のみですが、幼稚園教諭は業務独占ですので、幼稚園の先生として子どもたちに教える仕事は、幼稚園教諭免許を持っていないとできません。小学校以上の先生と同じです。

ところが、保育園の場合は、子どもの人数に対して資格者が何人いるかという考え方ですので、極端な話、クラス担任や園長だって、無資格者がなることも可能であり、そこが両者の一番の違いになるかと思います。

こんなことを書くと、保育園の園長先生って無資格でもいいんだ?って驚かれるかもしれませんが、法律上そうなだけで、特に認可園の場合は、実務経験の要件が厳しかったりしますので、実際はほとんどがベテランの保育士さんです。

さて、幼稚園教諭に戻りますが、免許は第二種第一種専修の3種類があります。ここでは単位等の細かい話は省略しますが、専門・短大卒が二種、4大卒が一種、大学院修士課程修了が専修だと思ってもらえればいいでしょう。

二種と一種以上で何が違うかと言えば、実は法律上明確な定めはないのですが、現実的には園長になるには一種の免許を有していて、相当の実務経験を積んでいることが求められるようです。

誤解しないでいただきたいのは、現場の先生たちにおいては、二種だろうが一種だろうが関係ありません。免許の種別は、学生時代に学んだ量の違いだけであり、子どもたちにとって、いい先生かどうかは、実務経験の中で培ってきたことを活かしているかどうか、実務に出てからも学び、向上し続けているかどうかということだと思います。

皆さん、子どもたちと真剣に向き合っている教師なのですから、保護者としても個々人を尊重していきたいものですね。

今回はここまで。次回は認定こども園の先生「保育教諭」について書いてみようと思います。

特定行政書士 寺島朋弥

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2020年9月26日1:56 PM0件のコメント

保育園の先生

前回、保育園と幼稚園の違いについてざっくりと書いてみましたが、その続きということで、それぞれの「先生」について解説していきます。

昔から小学生女子の憧れの職業として、常に上位にある「保育園の先生」と「幼稚園の先生」。

それぞれ、国家資格ではあるのですが、資格種別・根拠法・所轄庁も全て違います。

今回は保育園の先生から…これは昨今の「不足」報道等でも皆さんご存知「保育士」ですね。厚生労働省が所管する児童福祉法に基づく国家資格です。

国家試験に合格するか指定養成校を修了するなどして、都道府県に登録された者だけが「保育士」となります。

試験に合格しただけの人や、前身資格である「保母」のまま保育士登録をしてない人は、保育士ではありません。(いわゆる有資格者)要するに、いくら資格があっても登録をしていない人は、保育園等の資格職員配置数に数えることはできないのです。

ところで、昨年某芸能人が保育士試験を受験しようとしたけど、受験資格が無かったのでショックを受けたという話がありましたが、保育士試験は原則として短大(専門)卒以上(4大を半分履修して中退は可。)の学歴がないと受験すらできません。(高卒以下でも実務経験(高卒2年、中卒5年)があると受験できる特例はあるのですがここでは割愛します。)

それだけ保育士は0歳~18歳未満の児童(実は活動の幅は保育園だけではありません。)に幅広く接する職業なので、基礎的な教養が求められているということの現れでしょう。

ちなみにその某芸能人は、指定養成校ではなく、わざわざ短大に進学したというので、それはそれで凄いなと思いました。

余談ですが行政書士試験は受験資格はなく、子どもでも受験できます。(笑)もっとも登録要件は別ですが…。

さて、話が逸れましたが、保育園の先生=保育士さんは、立派な国家資格者です。処遇面での問題がよく報道されますが、年々保育職員の処遇に関する国の制度は変わっていて、各自治体も独自の制度を設けたりしています。

保育士さんの処遇は、結局は保育の質=子どもたちの待遇に結び付くところでもあります。

私たちは、これらの制度を熟知して、1円でも多くの俸給を現場の職員さんに回せるようにし、現場の先生が増えることで労働環境も改善できるようにお手伝いし、ひいては園全体=子どもの利益になるよう日々の業務に励んでいる次第です。

今回は以上となります。次回は幼稚園の先生=幼稚園教諭について解説予定です。

特定行政書士 寺島朋弥

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2020年8月29日3:50 PM0件のコメント

保育士さんのおかげです

都内の各地で保育園内での新型コロナウィルスの感染が確認されています。

私の子どもたちが通う保育園では、今のところ感染情報はありませんが、日々の欠席者・理由が掲示されたり、度々緊急メールが来たり、保護者についても体調によっては送迎が制限されたり、神経質になってきているのが分かります。

そして、保育園の現場は、密閉・密集は避けられても、密接だけは避けることはできません。乳幼児にとっては、肌と肌で触れ合うことこそが保育であり、何よりも大切なことだからです。

しかし、現場の保育士さんたちは、子どもたちにはもちろんのこと、私たち保護者に対してもいつも笑顔で、不安な様子は一切見せません。本当は危険と隣り合わせの中、不安な毎日であるはずなのに…。

世の中のお母さん、お父さんたちが、普段どおり働けて、社会が回っているのも、保育士さんたちが頑張ってくれているおかげであり、私もそのおかげで仕事に専念できているので、心から感謝しています。

幸いなことに、私たちの仕事は、そんな保育士さんたちを間接的に支援している仕事です。

保育士さんをはじめとする園の職員さんたちの処遇(お金の面だけでなく、業務負担の軽減も含めて)が少しでも良くなるよう、先生たちへの感謝の気持ちをこめながら日々全力で取り組んでまいります!

特定行政書士 寺島朋弥

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2020年7月16日10:13 PM0件のコメント

保育園を利用している保護者さんへ

昨日、都内の認可保育園の事務室で5時間ほど執務してきました。この状況下でも認可園の対行政事務は止まることはないどころか、むしろ急増していますので…。

さて、保育園は、常時濃厚接触を繰り返している現場と言っても過言ではないのですが、現場の緊張感はものすごいものがあります。

保育士さん一人ひとりもそうですが、ある程度の規模の保育園には看護師さん1人ないし2人が配属されており、園全体の保健を担っているのですが、その看護師さんの負担が尋常ではありません。

この状況では、平時より業務量が増えるのは想像つくと思いますが、その責任をたった一人で背負っていたりするのです。彼女たちは決して顔には出しませんが、精神的負担は計り知れないものがあると思います。

休園にするのか、登園自粛要請にするのか、自治体によって判断が分かれていますが、勤務先やご親戚との相談次第で、もし家庭保育が可能になる場合は、子どもを守るためにも、登園を控えるべきです。

現在、SNSで保育園関係者が「保育園を休園に」とハッシュタグを立て、声を上げていますが、彼女・彼らは、自分たちが休みたいから言っている訳ではありません。大切な子どもたちを危険から遠ざけたい一心で言っているのです。

そして、第三者の私から言わせていただきますと、彼女・彼らにも大切な家族・友人があり、その人たちにとっては皆かけがえのない存在です。

どうかそのことを踏まえて、各家庭で今一度保育の必要性についてお考えいただければ幸いです。

一刻も早く事態が収束し、子どもたちが伸び伸びと過ごせる保育園の現場が戻ってくることを心から祈っています。

特定行政書士 寺島朋弥

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2020年4月9日1:18 PM0件のコメント

保育研究

昨日から本日にかけて、保育プラザで行われた保育制度の研究集会に、私と寺島および元保育士行政書士の青柳夏苗先生の3人で参加してまいりました。

日々保育運営実務に携わっているので、保育士さんの処遇改善に関する話や保育の実践評価に関する話はとても勉強になりました。

今後も保育業界の研修に積極的に参加して行こうと思います!

特定行政書士 久保祥子

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2019年10月28日9:35 PM0件のコメント

保育実務について

本日は、元保育士の新人行政書士さんと、うちの顧問先の保育園を訪問しました。

全体的な計画(旧保育課程)、年間カリキュラムといった保育計画を策定するための研修を行うにあたっての打ち合わせを行ったのですが、やっぱり保育実務を経験しているだけあって、話に深みがあります。

私などは、保育(育児は含まない)の経験はないので、法令遵守と監査等で指摘されない(されにくい)書類作りという視点になりがちですが、経験者だと現場に寄り添ってアドバイスをすることができます。

保育園の行政手続き、監査対応については百戦錬磨の私たちと、保育実務の経験がある行政書士が組めば、より現場で役立つサービスを提供できるはずです。

子どもたちの最善の利益を追求するという私たちの理念を実現するために、今後は保育実務により近い部分も含めて、法的な観点でサポートできる体制を整えていきたいと思います。

特定行政書士 寺島朋弥

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2019年9月30日11:54 PM0件のコメント

後進の育成

毎年夏から秋にかけて、保育士等の処遇改善等加算Ⅰ,Ⅱの昨年度実績報告や、今年度の加算率認定申請のラッシュです。

そのうえ今年は社会福祉法人設立認可申請の本申請準備も同時に行っており、うちのような小規模事務所では結構手一杯になっていて、ろくに休みも取れない状況です。

また、うちがメインで扱うこれらの業務は、同業者に詳しい人(児童福祉法、子ども・子育て支援法及び社会福祉法を熟知してる先生)がほとんどいらっしゃらないため、簡単に応援を頼めるものでもありません。

そこで、今後は後進を育てることを本気で考えていかなければならないと思っています。

うちと協業する最低条件(=理念)は「子どもの最善の利益のために尽くす気持ち」があること。児童福祉分野は行政書士界的にはブルーオーシャン(ライバルがほとんどいない)なのは確かですが、お金稼ぎに重点を置いていては、とてもやっていけない分野です。

これだけ待機児童だの子育て支援だのニュースで騒がれているのに誰も気づいていない訳ではなく、参入しようと思いつく人はたくさんいるはずで、それでも数が少ないのは、それなりに難しい理由があるからです。

しかし、私たちは5年間先の理念を一心に抱きながら取り組んできて、ここまでやってきました。この思いを共有できる後輩を育てて、児童福祉業界の発展のために取り組んでいける仲間を増やしていきたいというのが、今後の一つの目標です。

そのためにも、まずは目の前のお客様とそこに通う子どもたちの笑顔のために、日々全力で業務を行ってまいります。

特定行政書士 寺島朋弥

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2019年9月22日7:56 PM0件のコメント

台風と保育園

認可保育園(小規模保育事業等含む)は、日曜・祝日・年末年始以外は、原則として開園しなければなりません。

昨夜は今朝の開園対応で、お客様とずっとやり取りしていました。

保護者さんの中でも、医療関係者だったり、消防関係者だったり、台風の日でも絶対に休めない人はたくさんいます。

そういった方たちに、安心して仕事に取り組んでもらえるよう保育園は当たり前に開いているわけです。

保育園(保育士さん)によっては、前日から泊まったり、早朝から徒歩で出勤したり、いろいろな対策をとって、今日も保育を行っています。

私どもも今日は交通機関での移動が制限されて予定が大きく変わってしまっていますが、まずはお客様(保育園)の安心のため、いつでも連絡が取れる体制を整え、長い一日を乗り切っていこうと思います。

特定行政書士 寺島朋弥

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2019年9月9日9:12 AM0件のコメント