9千円補助金について
来月から始まる9千円補助金。正式には「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」と言いますが、「9千円」だけが独り歩きしてる感じです。
果たして全ての職員が9千円もらえるのでしょうか?
答えはNOです。
2月から9月までは補助金の一種で、細かい計算がされて事業者に交付される金額が決まりますが、計算の基準が職員数でも定員数でもなく、利用している子どもの人数であるため、施設によって大きく差が出ることが分かっています。
認可園は例え子どもの人数が定員割れしていても、職員数は定員分確保しておかなければならないため、満員でない施設はその分補助金の額が減るが、職員の人数が減る訳ではないので、当然一人あたりの金額は減ってしまうのです。
また、仮に子どもが満員だとしても、あくまでも国の配置基準が元となっているため、職員の負担を考えて国の配置基準以上の職員を雇用している素敵な施設の場合、残念ながら一人あたりの金額は減ります。(ちなみに国の配置基準だけで運営している施設は私の知る限りありません。)
ここまで見たらお分かりのとおり、全員に9千円がいきわたる施設なんてほぼあり得ないのです。
「月額9千円アップ」と言ってる政府もどうかと思いますが、報道機関ももう少し現実を分かりやすく説明すべきだと思います。このままだと数か月後、事業者が中抜きしているのではないかと騒ぎになることでしょう。
なお、この制度は具体的な運用は自治体に委ねられており、また分配は事業者に委ねられている部分があるため、統一ルールとしてお知らせすることは難しいのは事実です。当法人としても、統一的な部分をまとめていき、いずれ分かり易く説明していきたいと思っております。
行政書士 寺島朋弥
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