保育事故と研修

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保育事故と研修

最近、保育研究所から発行された『保育白書2020』と『月刊保育情報9月号』に、2018年中に起きた保育中における死亡事故10件と意識不明等の重大事故12件に関する事例報告がありました。(公式発表で数日後に亡くなった重大事故は死亡事故側にカウント)

昨日、顧問先に訪れた際にそれらを持参し、園長先生と情報共有し、ぜひ職員会議の議題にあげて、事例研究をして欲しいとお伝えしたところ、「今年はコロナのせいで外部研修の機会がないので助かる」とのことで、早速直近の会議で行ってくれるとのことでした。

正直、死亡事故事例は、関わった職員や子どもたち、何より保護者の気持ちを察すると胸が痛くなり、結構長い時間暗い気持ちになってしまいます。直接現場の人間ではない私でもそうですから、保育職員にとっては、おそらく相当辛いものがあることでしょう。

しかし、辛いからと言って絶対に目を背けてはいけないことだと思います。

ヒヤリハットを日々こまめに記録し、共有しているのは、事故を予知して、予防するための訓練の一つでもある訳ですが、安全管理が徹底できていて事故が少ない園こそ、本物の事故事例の検証は、他園で起こってしまった事例から学ぶしかありません。

特に死亡事故は、絶対に起こしてはならないことですが、毎年全国で起きてしまっている以上、全ての保育に関わる人が共有し、自らの保育の点検材料にしていかないといけないと思います。

それが、遺族の願いであり、犠牲になった子どもたちのためにもなることだと思います。

園長先生もおっしゃっていたことですが、今年は本当に研修の機会がなく、保育の質の維持、そして新人保育士にとっての学びの機会をどう与えていくのか等、管理する立場の人たちにとって悩ましい問題が山積みのままになっているようです。

私たちは、保育の実践分野では素人ですが、保育に関する研究という意味では日々行っている立場なので、制度だけでなく実践に近い部分もしっかり学び、そこで得た知識を活かして、随時現場に伝えていけるようにしていきたいものです。

特定行政書士 寺島朋弥

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2020年9月8日11:16 PM0件のコメント

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